映画『国宝』を観た感想。圧倒的な努力と孤独、そして美の物語。

映画『国宝』を観た感想。圧倒的な努力と孤独、そして美の物語。

先日(2025年9月)、遅ればせながら今年6月〜上映中の映画『国宝』を観てきました!

言わずとしれた大ヒット中の映画で、興行収入は133億円を突破し、邦画実写歴代興収ランキングで現時点2位!

(す、すごい…ちなみに1位は今のところ『踊る大捜査線 THE MOVIE 2レインボーブリッジを封鎖せよ!』(173.5億円)で、『国宝』はそれに届くのかが注目されてるみたいです)

キャストは吉沢亮さん、横浜流星さん、高畑充希さんなど。原作は吉田修一さんの小説『国宝』です。

いや〜公開当初は「歌舞伎がテーマ」ということで全く興味が沸かなかった私ですが(失礼)。

「すごい、すごい」という口コミをたくさん聞いてじわじわ観たくなり、ついに観に行ったこの映画。

やはり、すごかった…!!

映画『国宝』あらすじ・予告動画

映画『国宝』を観た感想。圧倒的な努力と孤独、そして美の物語。

映画『国宝』のあらすじは、こちらです。

後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。

 

この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄(きくお。吉沢亮)は、抗争によって父を亡くした後、
上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。
そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介(横浜流星)と出会う。
正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人。
ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていくのだが、多くの出会いと別れが、運命の歯車を大きく狂わせてゆく…。

 

誰も見たことのない禁断の「歌舞伎」の世界。
血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切り。
もがき苦しむ壮絶な人生の先にある“感涙”と“熱狂”。

 

何のために芸の世界にしがみつき、激動の時代を生きながら、世界でただ一人の存在“国宝”へと駆けあがるのか?
圧巻のクライマックスが、観る者全ての魂を震わせる― 。

 

(映画『国宝』公式HPより引用)

▼映画の予告動画は、こちらです。物語の雰囲気がよくわかると思うので、ご興味のあるかたはどうぞ!

【ネタバレ感想ブログ】映画『国宝』を観て。

いや〜『国宝』、本当にすごかった。観て良かった…!

まず誤解を恐れずに私個人の感想を簡潔に言うと、これは「圧倒的な努力と孤独、そして美の物語」だと感じました(吉沢亮と横浜流星がとにかく美しすぎる…)。

3時間(!)という上映時間の間、一切長さや退屈さを感じることなく。

ただ呆然と歌舞伎の世界にのめり込みました(ただ終盤やはり少しはトイレに行きたくなったので、鑑賞直前に行っておくことをおすすめします!笑)

【注意:▼ここから完全にネタバレです!これから観に行かれるかたは、よければまた鑑賞後に読んでもらえるとうれしいです。】

6月6日に公開されすでに3ヶ月以上経っていてもう観た方も多いかと思うので、あとは私が個人的に印象深かった後半のシーンについて少し。

それは映画終盤、ついに人間国宝となった喜久雄(吉沢亮)に、喜久雄の実の娘でありカメラマンに成長した綾乃(あやの。瀧内公美)が言ったこの言葉↓(※うろ覚えで書いています)

あなたのこと、お父ちゃんって思ったことない。

でもあなたの歌舞伎を観に行くと、なんや一気にお正月が来たような、

『なんも考えずに、全部忘れて、こっちにおいで』って言われてるような、

そんな気持ちにいつもなって、気付いたら全力で拍手してた。

お父ちゃん、ほんまに日本一の歌舞伎役者になったんやね。

この言葉は、天涯孤独で生きてきた喜久雄にとってきっとひとすじの光、救いになっただけでなく。

(私含めて)まだまだ知らない人が多い「歌舞伎という世界の魅力」をきっととてつもなくうまく表しているのだろうなという点で、
個人的にすごくグッときた言葉でした。

ほんまに、きれいやなぁ。

(ラストシーンの喜久雄の言葉より)

たしかにこの映画では、きっと誰もが心のどこかで共感できるような孤独や人間関係のしがらみなどが繊細に描かれています。

また、その時代や業界特有の、女性の生きづらさみたいなものも強く感じました(高畑充希と森七菜の演技も、やはり素晴らしかった…!)。

が、そこを変に深く掘り下げすぎていないのも良かった、と個人的には思う。

登場人物それぞれがもがき苦しみながらも、ただひたすらに未来を、夢を追いかける姿が圧倒的な映像美で表現されているというのが、この映画最大の魅力かと。

大人気ゆえまだロングラン上映中の映画館も多いようなので、まだ観てない方は是非!

観ると背筋がピンと伸びて、自分の生き方を深く考えさせられるような映画です。

もともと歌舞伎が好きなかたはもちろん、その世界にこれまで興味がなかったかたにも、心からおすすめです。

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