2017年12月24日のイブの日、おはぎ(私)とまっちゃ(夫)は、まっちゃの職場のシンガポーリアンスタッフさんのPさんに誘われて、
少し大きな催事場のようなところで行われたクリスマスパーティーに行った。
会場では案内されるがままPさんやそのご友人たちと写真ブースで記念撮影をしたり、
ステージで繰り広げられる讃美歌のショーや、聖書を題材にした寸劇を鑑賞したりした。
そして案内されるがままキリスト教に入信・・・はしなかったが、
教徒のみなさんが真剣な面持ちで神に祈りをささげる姿や、
「代わりに私がまっちゃさんとおはぎさんのお願い事を祈ってあげる」と言って、私たちの手を握りながら願いの言葉を唱えてくださるPさんの姿を間近で見て、
「こんな経験なかなかないよな」と、私たちにとって貴重な経験となった2時間だった。
でも、私にとってその日なによりの思い出になったのは、
パーティー会場への行きと帰り際に、PさんがHDBの敷地内を案内してくれたことだった(*’▽’)
シンガポールのHDBとは
HDBとは・・・Housing & Development Boardの略で、シンガポールの住宅開発庁による集合住宅のこと。シンガポールの象徴的存在で、2013年以降に作られた10セント硬貨のデザインにもなっている。
画像はwiki「住宅開発庁」のページよりお借りしました。住宅開発庁 – Wikipedia
シンガポールのToa Payoh(トアパヨ)のHDB群に大興奮
今回の舞台はToa Payoh(トアパヨ)という街。
パーティー会場へ徒歩で向かっているとき、HDBの窓の外にはためく洗濯物を見て、「私、HDBを見るのが好きなんです!」とおはぎが発言したのがきっかけか、
PさんがHDBを案内してくれた。
敷地内では、屋根付きの通路が各棟をつなぐように続いている。
Residents’ cornerと書かれた看板がつりさげられた、1階の吹き抜けの共用スペース。
住民の結婚式や葬式がこのスペースで開かれることがある、ときいたことがある。
広場の健康器具コーナーで朝から運動しているかたがた。
HDBの敷地内には商店もあることが多く、
住民とみられるひとたちがお買い物をしていた。
1階部分がカフェ、2階以上が居住スペース(Pさん曰く、2階にはそのカフェや商店のオーナーたちが住むことも多いという)となった棟も。
敷地内のホーカーで、
Pさんが、右上のPrawn Meeというおすすめのシンガポール国民食をごちそうしてくださった。
エビからダシをとったスープ。ラーメンっぽい喉越しと味わい。おいしい~( ^ω^ )
HDBの一角の”bird singing corner”
ところで食べているそばから気になっていたのは、
すぐ隣のスペースで、プラスチックの椅子に座ってくつろいだご様子のおじいさんたちと、彼らが見上げる先、大量の鳥かごのなかでさえずりまくる鳥たちの声。
鳥を売っているスペースかと思ったら、そうではない。
「すでに退職して時間を持て余したひとたちが、ああやってただ集まって鳥のさえずりを聞いているの」とPさん。
おはぎはその光景が大変気になり、あとでいろいろ調べてみると、興味深い背景が見えてきた。
remembersingapore.org
シンガポールの社会では1960年代頃から鳥を愛でる習慣があった。
多くのHDB敷地内に「bird singing corner」という、
(上の写真のように)ポールを何本も吊り下げそこに鳥かごをかけるような広場が設置された。そこでの集まりは「bird singing club」などと言われ、それは住民たちがただ自分たちの飼っている鳥やその歌声を見聞かせ合うだけの場ではなく、
おしゃべりをして楽しんだり、新しい交友関係が生まれたりする社交場のような役割も担うようになった。
集まるのは男性が多く、建築業者、技師、退職者など様々な者が主に日曜日に集まった。各地で行われたbird singing contest(声の長さやトーンや清らかさを競う)は大盛況で、そのたびに鳥愛好家を増やしていった。
1970~90年代が流行のピークであった鳥の鑑賞。
現代では当時ほどの盛り上がりは見られないが、それでもまだシンガポールに深く根付いた文化として人々に愛されている。
近くに住むお友達たちと集まってただ鳥を愛でながらゆっくりお話しする時間。
そういう時間が日々のちょっとした楽しみであったり癒しになってるんやろうな。
すてきすぎる・・・!!
家に帰ってみてみると、ちょっと前に雑貨屋Supermamaのフェアで買ったお気に入りのHDBマグカップにも鳥かごが描かれていた^^(下写真左上。)
そしてこの観光PR動画の30秒あたりからもbird singing cornerが登場\(^o^)/
youtu.be
Singapore tourism boardという政府機関が作成している動画。ほかの動画もどれもシンガポールの魅力が凝縮されていて、素敵です。
ああ~しかしこんなおもしろい世界がHDBに広がっていたとは。新たな発見やわあ。
本当に連れて行ってもらえてよかった。Pさんありがとう!
これからHDB探検ブームが起こりそうな予感のおはぎです・・・☆